2023-04-01 大岡川桜見

日常

2022年の年度末は終わりを告げて本日より新年度として2023年度が始まった。2022年度の一部の事務手続きは残留しているが社内の承認フローが完了していない事がその根本原因であり、おれは現時点で自分ができる最大限の仕事は全て終わらせた。攻勢限界点に達した。これでおれの2022年度は終了としようと思う。

以前に退屈凌ぎに書いた雑然とした日記[日記]でも触れた通り、おれは2022年6月より在宅勤務のプロジェクトに従事しており現在も継続中である。通勤が発生しないとその途中で桜を見る機会もほぼ無い。そのため本日は、休暇を利用して横浜の大岡川[Wikipedia]に桜見をしに行く事にした。

日ノ出町へ

好きなだけ寝られる休日だが普段通りの時間に目が覚めた。先週はTwitterで流れてきた近畿地方のある場所について[カクヨム]に没頭していたのでそれに関連する夢を見た気がする。この作品は所謂モキュメンタリー[Google]なのだが、以前に読んだ忌録: document X[Amazon]と同じ作者、三津田信三ではないかと個人的には思っている。いずれにせよ「近畿地方のある場所について」は現在進行系の物語であるので怪談好きの方は是非読んでみて欲しい。ゾワゾワと嫌な気分になる事請け合いである。

話が逸れた。普段と概ね時間に起きたがもう少し寝ようと思い犬を攫って抱っこしながら10:00過ぎまで寝直して起きた。起きて珈琲を飲んで自室で一服する。今日は出掛けるには丁度良さそうな晴れやかな空だ。妻が洗濯物を全部干し終わった後に身支度を整えて12:00過ぎに家を出る。最後の一回についてはおれが干した事を念のため申し添えておく。

日ノ出町

京浜電気鉄道と湘南電気鉄道が連絡した日ノ出町駅

 野毛地区は、かねてより交通の要衝であったため、開港当時より奉行所、役宅、陣屋など集まる行政の中心地でした。現在でもこの辺りに公共的施設が多いのは、このことによります。日ノ出町にあった旧陣屋跡地は明治政府に引き継がれ、一時陸軍用地になりましたが、明治25(1892)年に民間に払い下げられてからは、周辺の住宅地化が進みます。

 三浦半島は、東京・横浜からの日帰り行楽地として最適なこと、空気清澄、地下低廉のため別荘地、住宅地として魅力的な土地でした。第一次世界大戦景気にわく大正6(1917)年、湘南電気鉄道は、電気鉄道の敷設と沿線開発を計画し、大正12(1923)年に路線敷設の免許を取得しました。しかし、直後に発生した関東大震災の影響をうけ、計画実行は困難になってしまいます。湘南電気鉄道は、品川・神奈川間を開業していた京浜電気鉄道への資本参加を求め、計画は再始動することになりました。

 一方で、京浜電気鉄道は、震災後に神奈川から長者町までの延伸を計画していましたが、事業環境や建設費用、横浜市の震災復興事業とのかかわり等から計画を変更、両線を接続することとなりました。

 湘南電気鉄道は、黄金町・浦賀間および金沢八景・湘南逗子間の建設に着手し、昭和5(1930)年に開業しました。未接続であった横浜・黄金町間は、乗合自動車で接続しました。同区間は、住宅密集地をトンネルおよび高架橋で抜ける建設工事を行い、昭和6(1931)年から営業が開始されました。

 横浜市を縦断するこの電鉄が敷かれたことにより、駅の周りの商店はふたたび活気づき、周辺地区は住商混在の住宅地となっていきました。

京急本線の日ノ出町駅[公式]は横浜駅から2駅先に位置しており、エアポート急行が停車する駅である。そのため、京急川崎からエアポート急行に乗られれば乗り換えせずにそのまま一本で行ける。駅メモをポチポチやりながら、横浜方面に向かうのは今年はこれが初だったかも知れんと考える。2005-09-30に今の家に引っ越す以前は生麦に住んでいたので、生麦駅を通過する度にそれを懐かしく思う。おれの関東での生活はずっと京急線と一緒だ。

日ノ出町駅で降りるのは一体何年振りだろう?過去の日記を見てみると、2011-11-03に野毛山動物園[公式]に来たのが最後だと思われる。そうなるとほぼ10年振りであるな。

大岡川を歩く

大岡川 桜
大岡川 桜
大岡川 桜

日ノ出町駅では多くの人が降りた。駅を出て右手に曲がると直ぐに、大岡川に架かる長者橋がある。近くは横浜市中区長者町だ。写真は長者橋の上から取り敢えず桜を撮ったものである。橋の袂には横浜日ノ出桟橋がありそこから船が出ている。

花より団子で本日は桜見と飯が目的である。川の両側にはずらりと屋台が並んでおり大変な混雑だった。歩道は狭くないのだがそこに屋台が出て更にそれぞれ椅子を置いているので歩行可能な場所はかなり限られる。明らかにアウトサイダーと言うかどう見ても地回りのヤクザ屋さんかその下請けにしか見えないモンモンが入った人々もおられた。野毛の歓楽街も近いしね。

一軒目 屋台

大岡川 桜

時刻は既に13:00を回っていた。前述した通り10:00頃に起きてから珈琲を飲んだだけなので猛烈に腹が減っている。写真の通り席が空いている屋台で桜を眺めながらじゃがバターとウインナーを食べた。じゃがバターはまあまあ旨かったがウインナーは茹でる時間が足りておらず冷めてしまっていた。味はまあ安くもないが高くもないという塩梅である。この手の物は大体どこで食べても似たようなものだ。屋台はどの程度儲けが出るのだろう。

旭橋を渡る

大岡川 桜
大岡川 桜
日ノ出町

腹拵えは終わった。引き籠もりであり人混みが苦手なので、旭橋を渡り反対側へ向かう。いい感じの小道がある。

二軒目 ハマヱミス/濱ゑ美寿

ハマヱミス/濱ゑ美寿
ハマヱミス/濱ゑ美寿
ハマヱミス/濱ゑ美寿

旭橋を渡って少し歩いた所にあった店、濱ゑ美寿[公式]のたこ焼き屋の提灯に惹かれてまた食べる事にした。天気が良かったのでここらでビールを飲む事に決める。通行人が大体赤い顔をしているのでおれも飲みたくなったのだ。たこ焼きは少し時間が掛かるという事だったのでビールを飲みながら桜を見る会である。

看板わんこプッチ

お店の正面の川沿いには犬が鎮座していた。調べるとここの看板犬であるようだ。桜が散る中でとても幸せそうに見えた。

たこ焼きが焼ける間にマスターに灰皿を借りて世間話をした。今は喫煙者は社会の隅に追い遣られていますからねとか、この辺りは夜はどうなんですか?近くにはスナックしかないですが野毛の方には若い方も沢山いますよとかそういう類の話だ。先天的コミュ障を患っているおれでもサラリーマンとして飯を食っているのでその程度の社会性はある。

たこ焼き

大岡川 桜
大岡川 桜
ハマヱミス/濱ゑ美寿

ビールを半分くらい飲んだ所でたこ焼きが焼けたので桜を見ながら食べた。

この辺りはかつてはちょんの間と呼ばれる違法風俗店がずらりと建ち並ぶ異質な一帯だったが、2005年の黄金町浄化作戦によりその手の店は見当たらなくなっている。→ちょんの間とは

2001年か2002年に知り合いと車で深夜に前を通った事があるのだが、本当にここは日本なのかと思うようなどぎついネオン溢れる蠱惑的な景色が広がっていた事が記憶に残っている。今では特徴的な家屋が残っているばかりだ。これから10年20年と経つ内にそれらの町の記憶も風化して歴史の闇に消え去って行くのだろう。

ざっと見た所では、爾後の状態はこのサイトが分かりやすいと思うのでリンクを貼っておく。

再び大岡川を歩く

日ノ出湧水

日ノ出湧水

ビールでほろ酔いになり良い気分になって川沿いを歩いていると湧水があったので手を洗った。横浜も歴史のある街なのでこのように謂れがあるスポットが転がっている。横浜市に住んで長いのに知らない事が多い。

黄金橋~末吉橋

大岡川 桜
大岡川 桜
大岡川 桜
大岡川 桜
大岡川 桜

引き続き川沿いをゆっくり歩く。先日の風雨で大分散ってしまったようだがこのように今年も桜は綺麗だった。はて昨年はどこかで桜を見ただろうかと思い返してみると、所用で名古屋に行っていたのでその際に観光をして名古屋城で桜を見ていた。桜にも花見にも特に思い入れは無いが美しい物を見てそのまま美しいと感じられる程度の情緒はおれも持っている。

三軒目 ちゃま珈琲

ちゃま珈琲
ちゃま珈琲

妻が珈琲を飲みたいと言い出したので、末吉橋近くの喫茶店ちゃま珈琲に入った。なおGoogleマップでここまでのルートを見てみると大した距離は歩いていないのが分かる。

見たところ、髪を染めたイカしたママが一人で切り盛りしているようだ。平日はこの店舗でデッサン教室もやっているらしい。芸術に造詣が深いのだろう。当店とは無関係だが何故マスターに対して女性の場合はママなのだろうと思った。

ちゃま珈琲 喫煙所

ちゃま珈琲
ちゃま珈琲

店の外に良い感じの喫煙所が備えられていたので料理が出てくるまでの間に一服した。珈琲を淹れ終わった後の粉を灰皿に入れて消臭に使っているようだ。これはおれも家でやっている。

都心部では健康増進法を根拠として街全体が発狂したように徹底的に灰皿の撤去が進んでいるが、この辺りには灰皿が多い。屋台でも灰皿を置いている所が多かった。他人が外で煙草を吸う程度の寛容さが何故持てないのか不思議だ。

ちゃま珈琲 料理

おれはハイネケンを瓶のまま飲んでチリビーンズのホットドッグを食べた。妻はロコモコプレートを食べていた。さっきから食べ続けているので流石に腹が一杯だが大層旨かった。平和な休日だ。

帰路

満腹になり酔っ払ったので本日の花見はここで終了として帰宅する事にした。

ランドマークタワーが見える。地図を確認すると、野毛を抜けると直ぐに桜木町の駅に着くようだ。新人の頃は仕事で桜木町のオフィスに通勤していたので余り良い思い出が無い。オフィスの喫煙所からは桜木町の観覧車が見えたのだが決まった時間になると花火が上がるようなライトアップがされる。リンク先の動画は19:00だが、昔は確か20:00か21:00だったように思う。残業で帰りが遅くなり毎晩それを見ていた。まだ桜木町に東急東横線の駅が存在した頃の話だ。

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