2023-04-09 麻雀

日常

久し振りに挑んだ麻雀は手酷い敗北で終わった。細部を思い返すのも苦痛だが自らの戒めとしてここに記録として残す。

背景

弊社の社内麻雀の会についての概要は過去の日記を参照して欲しい。ここに一定の社会的地位も自分と家族を養うに困らない程度の金もある中年男性が普段の激務の合間を縫って絞り出した貴重な余暇がある。これをほぼ丸一日分贅沢に麻雀牌を使った益体も無い遊戯に注ぎ込んでお互いの生活リソース(隠語)を奪い合うという不健全な会合である。

おれは前回は年明けの2023-01-08に参加して以降、暫く本会合には不参加でいた。理由としては単にタクティクスオウガ リボーンを遊ぶのに忙しかったからである。今回参加する事にしたのは本会合の発起人である本部長が新年度で執行役員にまで昇進した事に伴い、おれがグールプLINEで「人数足りないなら行きますよ。出世祝いに親倍の一つでも振り込みますか」と発言した事に端を発する。口は災いの元。雉も鳴かずば撃たれまい。物言えば唇寒し最上川。全く愚かな事である。

暫く麻雀から離れていた事もあり流石にこの状態で挑むのはマズいと思い、木曜と金曜は何切る動画を見て簡単に復習をした。

新橋へ

朝は07:00過ぎに目覚める。新橋で10:00開始なので若干早い。今週は年度切り替えにより通常の業務に加えて事務作業が多く大変疲労したが金曜には社内の決済リレーが全て終了し状況は一段落した。全てはこの日のために段取りを整えたのである。天気が良かったのでベランダの窓を開けてパンツ一枚で朝日を浴びながら珈琲を飲んでカレーメシシーフードを食べた。

丁寧に歯を磨いて着替えて荷物を持ってよっしゃやるぞ鏖だと意気込んで家を出たのだが、最寄りのローソンで煙草を買おうとした所、普段吸っているウィンストン・スパークリングメンソール・ワンの取り扱いが終了していた。仕方無く代替としてウィンストン・キャスター・ホワイト・ワンを買った。どうせ麻雀を打っている最中は紙巻き煙草を吸えない(加熱式煙草は可)のだが定番の嗜好品が買えないというのは大層縁起が悪い。出鼻を挫かれてしまった。

新橋 SL広場

品川で京急本線からJR山手線に乗り換えして新橋へ出る。京急は泉岳寺から都営浅草線に乗り入れしているので乗換せずともそのまま乗っていれば新橋に着くのだが朝は何となく品川で乗り換えするのが麻雀の際の通例になっている。帰りはヘトヘトに疲れているので都営浅草線の新橋駅から乗る事が多い。

山手線で高輪ゲートウェイ駅(何度見ても御大層な名前だ)を通過した際には駅前で大開発が進んでいるのが見えた。数年後には雨後の筍の如き有様になっているのだろう。今更オフィスビルをぶっ建てても首尾良く店子が埋まるのだろうかと思った。だが莫大な金が必要である大規模開発プロジェクトは時勢が変わっても思い付きだけでそう簡単に方向転換などできない。投資した資本は回収されねばならない。どこの業界でも同じ事だ。

SL広場喫煙所

SL広場には喫煙者の隔離施設である喫煙所が設けてある。なお近くには青空喫煙所があるがそちらは加熱式煙草専用だ。紙巻き煙草を吸うような時代遅れで知恵遅れな人間は率先してガス室に行けという行政のありがたいお方針である。

朝の新橋

今回は普段の雀荘の予約が取れず別の店だったのでiPhoneでGoogleMapを見ながら店に向かう。一時期は減少していた雀荘の需要も回復傾向にあるようだ。このマッサージ店の看板は前回も撮った気がするが気にしない。

麻雀中のカロリー補給の為にコンビニでおにぎりを適当に4つ買った。大抵の雀荘では飯を頼めるが、12時間の長丁場なので一気に食べるよりも打ちながら少しずつ食べて補給する事にしている。3つだと足りない。ソフトドリンクは飲み放題だがコーラだけだと腹が減る。固形物が欲しい。

到着

本日の会場に到着した。場所は秘す

雀荘入口

09:50頃に到着して店の前まで着いたがまだ鍵が掛かっていた。向かいの店にはいかにも怪しげなマッサージ店があり最高の雰囲気の雑居ビルである。→「怪しげなマッサージ店」と書いたが店名で検索すると本当に健全な店のようだ。心が汚れている。

本日記のネタとして適当に写真を撮っている間に店員が来て解錠された。

前半戦

123456合計
順位234221平均2.33位
得点+3-22-42-2+19+73+29

今回は執行役員含め10年以上打っている勝手知ったるメンツが相手である。とは言えおれは暫く牌から離れておりブランクがあったのでスタートは大人しく滑り出した。勘所を取り戻すまでの辛抱だ。序盤戦で無理をして失敗すると大抵碌な事にならないので大きく負けるのだけは避ければ良い。負債がある→取り戻そうとして無理な勝負に出る→負債が増えるというループはよくあるパターンなので自らこの状態に飛び込むのだけは避ける。

今回の主な目的は昇進して執行役員まで上がった元本部長の昇進祝いである。誤解しないように書いておくがこれは露骨な接待麻雀的な事をしたいのではなく楽しく遊んで貰うのが目的だ。誰かが大負けしたり大勝ちしたりせず全力を出し合って最後まで接戦という貌になるのが望ましい。

そのような前提を置くと半荘6回で+29という無難な状態に収まったように見えるがこれは失敗だった。と言うのも親のダマっパネ、所謂インパチを役員から当たって一撃で飛ばしてしまったのである。これは申し訳ない事をした。最終形がカン6萬の確定三色だったがせめて立直を打っておくべきだった。

後半戦

12345678910111213合計
順位2342213244443平均2.92位
得点+3-22-42-2+19+73-8+22-35-51-53-51-29-175

結論だけ、書く。失敗した

トップを取った半荘6回目の後は流れが来ていた。ある程度の形が整った配牌が入りツモも悪くなく打点も高い。半荘8回目は余裕でトップを取れると思っていたのだが、役員がラス目だったのでここで手を抜いてしまったのが大失敗だった。手を抜いたと言っても意図的なミスや見逃しをしたのではない。自分の中で最後まで勝ち切る気持ちを切らしてしまったのだ。緩んだ心は緩慢な打牌に繋がる。半荘8回目は42,000点持ちで2着という結果に終わりここから転落が始まった。

半荘9回目は役員に海底で満貫を打ち込んでしまい地獄に落ちる。二軒立直が入っている状態で慎重に降りていたのだが、何故か2萬がノーチャンス(つまり4枚切れ)だと思い込んで1萬をツモ切ってしまい1-4萬待ちに刺さった。通常なら有り得ないミスだ。単なる勘違いに過ぎないのだがその時は100%確実に通る牌だと思っていたので衝撃だった。何故こんなミスをしたのか自分でも分からない。考えられないミスでこれまで丁寧に積み上げてきた流れを一発で全部吹き飛ばしてしまった。

たった一度のミスで全てが崩れ去ってしまうのが麻雀の面白い所だ。麻雀に限らず勝負事はそのようなものなのかも知れない。その後は3半荘連続で飛びラスを食らった。それは転落と言うよりも落下しているような勝負だった。大敗する時のパターンは大体決まっている。配牌が良く早くに大きな勝負手が入るのだが、必ず自分より早くて高い手が入る奴がおり、勝負手同士がかち合って負けるというものだ。それ以外の時は配牌とツモが噛み合わず何もできない。その繰り返しだ。この状態に陥ってしまうと少なくともおれにはもう何もできない。ただ席に座っているだけで金が流れ落ちる状態である。

勝とうとしない者が勝つ事はできない。自己嫌悪でとても惨めな気分だった。おれの身勝手な行動で勝負全体が壊れた。おれが中途半端な事をしたので場が歪んで1人が異常な馬鹿ヅキ状態に入り、最後の半荘2回は東1局で終わった。半荘12回目はおれが12,000点と18,000点を打ち込んで飛び、半荘13回目は役員が24,000点の親倍を振り込んで終了。勝者は最後の3半荘だけで+199を叩きトータル+347という異常な数字が出た。勝とうとする者が勝つ。当たり前の事だ。

こうして新年度の麻雀は散々な結果に終わった。ガキのように大声で泣き喚きたい気分で家に帰った。

タイトルとURLをコピーしました